カミラ・グルドーヴァのデビュー作『人形のアルファベット』が5月15日発売
株式会社河出書房新社は、英語圏で注目を集めるカナダ出身の作家、カミラ・グルドーヴァによるデビュー作『人形のアルファベット』を2025年5月15日に刊行します。この作品は、彼女の独特な視点を通じて、グロテスクで幻想的な日常を描いた13編から成り立っています。さらに、5月28日に著者の来日イベントも予定されており、文学ファンにとって見逃せない機会です。
注目の作家、カミラ・グルドーヴァ
カミラ・グルドーヴァは、2016年に受賞したシャーリイ・ジャクスン賞で名を馳せ、2023年には文芸誌「グランタ」の「若手作家ベスト20」に選出されるなど、英語圏の文壇で急成長を遂げています。彼女の作品は、心理的サスペンスやホラー、ダークファンタジーの要素を取り入れた独自のスタイルが特徴です。読者からは、彼女の作品に対して「奇妙な陶酔感」が感じられるとの声が寄せられています。
『人形のアルファベット』の魅力
本書には、日常の中の異常性や人間の心理を巧みに描いた短編が収められており、各ストーリーは読者を引き込みます。たとえば、「ほどく」では女性が身体を果物の皮のように剥がす様子が描かれ、「ワクシー」では女性の人生の目標が象徴的に表現されています。このようにグルドーヴァは、身近なテーマを通して、我々が普段見過ごしている社会の歪みを浮き彫りにします。
批評家からの評価
『人形のアルファベット』は、英・ガーディアン紙やタイムズ文芸付録誌などで高く評価されています。特に、「独自の、非常に独特な風味」や、「幻想的で半ばディストピア的な雰囲気」と評され、彼女の文学的才能が広く認識されています。また、他の著名な作家たちからも絶賛されており、「真に奇妙に輝く宝石のような作家」との声が上がっています。
来日イベントの詳細
カミラ・グルドーヴァの来日イベントは、早稲田大学国際文学館で開催され、翻訳家の上田麻由子とともに彼女の作品についての講演や朗読が行われます。参加は無料ですが、事前申し込みが必要で、申込多数の場合は抽選となります。この貴重な機会に、彼女の言葉を直接聞くことができるチャンスです。
書誌情報
- 書名:人形のアルファベット
- 著者:カミラ・グルドーヴァ
- 訳者:上田麻由子
- 仕様:46判/上製/224ページ
- 発売日:2025年5月15日
- 定価:2,750円(税込)
- ISBN:978-4-309-20923-4
カミラ・グルドーヴァの『人形のアルファベット』は、彼女の独特な視点と想像力による新しい文学の扉を開く作品です。この作品を通じて、日常の中に潜む不穏な美を感じてみてはいかがでしょうか。