EU、米国に対する15兆円の報復関税を検討
国際
2025年05月09日 09:16
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EU、米国に対する報復関税の導入を検討
欧州連合(EU)は、米国との関税交渉が行き詰まった場合、さまざまな米国産品に対して950億ユーロ(約15.5兆円)に及ぶ報復関税を実施する可能性があると発表しました。この動きは、EUと米国間の貿易関係に新たな緊張をもたらすものとなるでしょう。
背景:EUと米国の貿易交渉の行き詰まり
これまでの交渉では、特に航空機産業を中心に、両者の意見が大きく食い違っています。EUは、米国の航空機メーカーであるボーイングを巡る補助金問題に対して強い不満を抱いており、これが報復関税の検討に繋がっています。逆に、米国側もEUの航空機メーカーであるエアバスへの補助金に対して反発しており、双方の関係が悪化しています。
この状況は、トランプ元大統領の政策が影響を及ぼした側面もあります。彼の政権下では、対EU関税の引き上げが進められ、両者の間で貿易戦争が激化しました。現在のバイデン政権では、関税政策の見直しが求められていますが、根本的な問題は解決されていない状況です。
EUの対応と今後の見通し
EUの行政機関である欧州委員会は、米国との交渉が失敗に終わった場合、非常に広範囲にわたる商品に対して報復の措置を講じることを決定しました。具体的には、航空機をはじめ、自動車や農産物、さらには高級品など多岐にわたる製品がリストに含まれる可能性があります。これにより、米国の製品は価格が上昇し、消費者にとっても影響が出ることが予想されます。
また、EUはその立場を明確に示すことで、米国に対してより建設的な交渉を促す狙いがあると考えられます。EUの報復関税は、アメリカの貿易環境に圧力をかける手段として、今後の交渉において重要な要素になるでしょう。
まとめ
EUが米国に対する950億ユーロ(約15.5兆円)の報復関税を検討しているという発表は、両者の貿易関係において新たな局面を迎えることを示しています。特に航空機産業を巡る対立が根底にあるこの問題は、今後の交渉において重要な焦点となるでしょう。EUが報復措置を実施する場合、米国産品の価格上昇や消費者への影響が懸念される中、双方がどのようにして合意に至るのか、注視が必要です。