米国 Monotype Imaging Inc.の日本法人Monotype株式会社は、シニア・タイプデザイナーの土井遼太氏とTao Di氏が、デンマーク・コペンハーゲンで開催される国際カンファレンス「ATypI 2025 Copenhagen」に登壇することを発表しました。このカンファレンスは、タイポグラフィと書体デザインの最新の研究やアイデアを共有する場として注目されています。
プレゼンテーションの焦点土井氏とTao氏のプレゼンテーションでは、特にCCJK(中国語、日本語、韓国語)の文字デザインにおける課題に取り組みます。グローバル化が進む中、多言語対応のニーズが高まる一方で、CCJK文字の複雑さや膨大な文字数が設計者にとっての障壁となっています。今後、これらの課題を克服するための技術革新が求められます。
彼らの発表では、欧州の学生が参加した日本語書体デザインのインターンシッププログラムの成果も紹介され、指導者と参加者の視点から得られた洞察を掘り下げます。特に、漢字デザインに関する具体的なヒントが提供され、中国語や日本語を母国語としないデザイナーにも有益な情報が得られます。
AtypIについてATypI(Association Typographique Internationale)は、1957年に設立された国際的な非営利団体であり、タイポグラフィと書体デザインに特化したイベントを毎年開催しています。技術と教育に関するワーキングセミナーも行われており、参加者は最新の技術や知識を学ぶことができます。ATypIのカンファレンスは、デザイナーや研究者にとって貴重な交流の場となっています。
登壇者のプロフィール土井遼太氏は、東京藝術大学デザイン科を卒業後、英国レディング大学で書体デザインの修士号を取得。2015年からMonotypeで活動しており、企業向けの書体開発に貢献しています。Tao Di氏は、Monotypeの上海オフィスで書体デザイナーとして活躍しており、以前は中国の方正字库にて多くの書体開発に携わりました。
このカンファレンスは、タイポグラフィとデザインの未来を探るための貴重な機会であり、参加者は国際的なデザイナーとのネットワーキングや新たなインスピレーションを得ることができるでしょう。詳細はATypIの公式ウェブサイトで確認できます。